カンヌ国際映画祭で女優賞を受賞した女優たち

第二部では

世界が変質していく

メランコリアの第一部はジャスティンが結婚式を迎えようとし、身内による悪態で全てが破断した後の話になる。そこで少しだけ語られていた異常、さそり座にあるはずの赤い星をパーティに来ていた客は誰一人気にしていなかったが、ジャスティンただ一人だけがそこから見える何かを感じ取っていた。その時点で既に彼女はこの先に何が起こるのかを予感していたのかもしれません。実際、彼女はうつ病を患いながらも未来や過去が見えるといった描写がなされているので、ある意味では結婚が破断したことに悲嘆するのではなく、どうせ近い将来訪れる破滅の時から逃げられないと悟った様子が感じられます。

妄言だと言えない事態は刻一刻と迫っており、そのせいでジャスティンの心はどんどん蝕まれていっていくが、二部において彼女の動きと視点は奇妙なほどに事態を冷静に見ていた。そして何より二部において迫り来る事実に耐え切れず、発狂寸前まで追い込まれるのが姉のクレアであり、世界を包み込む異常に精神崩壊をきたしかねるのです。

そんなメランコリアの二部、展開としてどのようになるのかをこちらもあらすじから紹介していこう。

作品概要

あらすじ

結婚パーティーの失敗から数週間後、うつ病の症状がひどくなってしまったジャスティンは1人でまともに生活ができなくなっていた。そのため姉のクレアは自分たちが住む古城で妹と共に生活をすることに。そんな中、彼女が気になっていたのは世間でも話題になっている地球から見ても明らかに近づいてきている惑星メランコリアの存在だった。激突するのではと不安を露わにするクレアに対し、夫のジョンは通り過ぎるだけだと言って彼女をなだめます。

姉のクレアは富豪であるジョンと結婚してから何不自由ない、幸せな暮らしを満喫していた。息子にも恵まれ、そして妹も結婚という幸せを得ようとしていた最中で、身内の不始末によりクレアの心労が増えていた。そんな中で迫り来る不安から必死に目を背けようとしていたが、ある時インターネット上でメランコリアが地球に激突するという情報が確定的だというものを見てしまいます。

一方、ジャスティンは1人では立つことすらままならないほどに憔悴しきっていましたが、メランコリアが近づくにつれて彼女の心は平静へと保たれていき、クレアの息子であるレオと共に惑星を眺めるだけの余裕を見せていた。

やがて発表されたメランコリアの激突、それを公にせざるを得なくなったことで世界はパニックに襲われる。クレア達も例外ではない、ただ1人だけジャスティンは迫り来る終わりの時を一人静かに受け入れていた。

クレア視点で描かれる世界

一部ではジャスティンの精神崩壊が描かれており、二部ではすっかり人間として文明的な生活を営めなくなっていたジャスティンが姉によって介抱されながら生活しています。クレアはクレアで妹のことを邪険にしながらも放っておけないことから、彼女の面倒を見ることになる。ジャスティンがいることで息子のレオも懐いている点から見ても、彼女にとってプラスという部分も少なからずあるようだ。

幸せそうにみえるクレアでしたが、近づきつつあるメランコリアに恐怖を覚えて夫であるジョンに何度も不安を語ります。その都度問題ないというジョンでしたが、もはや衝突はさけられないという事実を知ったクレアは愕然とする。一方でジョンも万が一に備えて避難準備をしていましたが、それが無駄なことだというのはなんとなく予想していたのです。

やがて確定的になった衝突によって壊滅的なダメージを受けることが発表されたことにより、世界が混乱する中でパニックを起こすクレア達家族。その中で1人淡々と事実を受け入れていたのがジャスティンであり、自分たちが死ぬことにも恐怖を覚えている様子を見せていなかった。

日常から非日常へと変化する様子に混乱するクレアと、うつ病のせいで毎日が異常に見えるジャスティンにとって地球が滅亡することを受け入れている。クレアから見て妹ジャスティンがどう見えていたのかははっきりと表現されてはいないものの、姉から見た変わり果てた妹は絶望的な状況が迫る中で恐ろしいほどの冷静さに戸惑いを見せるしかありませんでした。

結末は

ネタバレをすると、今作では最終的に登場人物の全てが死亡という結末を迎えてしまいます。バッドエンドのようにも見えますが、監督曰くこれも『ある種のハッピーエンド』と語っていた。誰にとってのハッピーエンドなのか、それはやはり主人公であるジャスティンにとってのという方が正しいでしょう。

彼女から見た世界、地球が滅んでも悲観することはないといって、最期は姉とその子供と共に衝撃的な末路を遂げます。実際に鑑賞してみればわかると思いますが、まさかの展開が連続するので息を呑む暇すらありません。